保育士求人によくある疑問と質問について解説

保育士求人サイトと人材紹介の闇と呼ばれるこの2つを保育業界の専門家が暴露という形で解説していきます

仕事が休みの日は保育園に預けてもよいのか

結論から言えば・・・可能な保育園が増えています。

 

しかし、これは誤解がないように一つ一つ解説をしていきますので、保育園側の意図をくみ取った上で今後の保育園利用の参考にしてください。

 

また仕事が休みの日に預ける場合には最低限の保育園のマナーも忘れないようにしてください。

 

 

◆保育園の定義とは

 

保育所とは・・・保護者の委託を受け,労働疾病などのため家庭での保育が困難な乳児や幼児の保育を行なう児童福祉施設。これが保育園の基本的な定義となります。この定義から言えば、休日は労働をしていない状態ですので保育園に預ける目的からは外れていると考えられます。以前はこの考え方を基本に多くの認可保育園では保護者の仕事が休みの日には保育園を休んでもらうように促している保育園がとても多かったです。

 

 

◆平成30年に改訂された保育所保育指針

 

保育所保育指針とは保育園ならびに保育士の共通となる教科書のようなものなのですが、平成30年に内容が改訂されました。その改訂の一つに「保護者支援」に関する内容がありました。その結果として東京都23区内の公立保育園の多くは、平日に仕事が休みの場合でも子どもの受け入れを行うようになりました。また私立保育園においても一定のルールのもとで許可をしている保育園が多いです。

 

 

◆目的は保護者のリフレッシュ休養

 

そもそも保育園というのは働く保護者の為の施設であり、本来の主役は子どもではなく保護者です。特に近年はシングルマザー、シングルファーザーの割合も増えたことで保護者が生活に余裕がないというのも社会問題の一つになっています。「働く母親に休みはない」という言葉をよく耳にしますが、あながちこれは間違いではありません。子どもというのは本来親の愛情のもとに成長していくものであり、当然その保護者に余裕がなければ十分な保育を実践することはとても難しいです。その為、平日に子どもを保育園で預かることで保護者をリフレッシュさせる形で保育園としては保護者支援を行うのです。

 

 

◆保護者側にお願いしている3つのマナー

 

1つめは休みであれば隠さずに休みであると正直に伝えて欲しいのです。といっても正直言いづらいというのが本音だと思うのですが、もしお子さんの体調が悪くなってしまった時には結局仕事場に連絡が行きますのでバレた場合には保護者側が気まずくなります。それに本当の緊急時は1秒でも早く連絡を取りたいのに会社を最初に連絡していたら連絡がどんどん遅くなってしまいます。また、震災などで公共交通機関が麻痺し、なおかつ電話連絡が取れなくなってしまった際に、保育園側は勤務地にいることを想定して子どもを預かりますので、もし職場と違う場所にいた場合に保育園側は非常に困ってしまうのです。最悪保護者の身に何かあったのではという想定をすることになります。

 

2つめは携帯にすぐ出られるようして欲しい。職場は固定電話なのですぐに連絡を取ることが出来ますが、職場以外では逆に連絡がつきづらいことが多いです。これは1と同じで緊急時にはすぐ連絡を取れるようにして欲しいのです。

 

3つめは保育時間の考慮です。一般的には「短時間の保育時間でお願い」をしています。現在の認可保育園では主に以下の3つに保育時間が定められています。

 

A、短時間保育

B、標準時間保育

C、延長保育

 

A=8:00~16:00  8:30~16:30など(自治体による)

 

B=開園時間内で就労に必要と申請している時間

 

C=保育園の規定内で別途料金を支払い預ける時間帯基本的には就労ではありませんので、このAの時間帯でお願いをしている保育園は多いです。保護者支援を目的としておりますが、あくまでも保育園は就労ならびに疾病を理由に保育に欠ける子どもを預かる施設です。そして基本子育ては保育園ではなく家庭で行うものです。やはり出来るだけ子どもとの時間は大切にして欲しいというのが保育園。ならびに保育士としての想いです。

 

 

◆土曜日保育と年末年始や休日などの特別保育はNG

 

その中でよく言われるのが土曜日保育です。土曜日については保育園側も対応を厳しくしている箇所がほとんどです。これには理由が3つ。

 

1、土曜日は本当に必要な家庭だけという認識で預かっており、保育園側も平日よりも少ない職員配置で運営している為。

 

2、土曜日を開放すると多くの保護者が気軽に預けてしまい家庭保育の重要性を忘れてしまう。特に母親が出勤の場合父親が子ども見ることが出来ないからという理由で預ける家庭がとても多い。これは保護者支援にはあたりません。むしろこういう機会に父親には子育ての大変さと子どもと過ごすことの重要性を理解してもらうというのが保護者支援の在り方。

 

3、土曜日は利用率が少ないので子どもも「どうして自分は保育園にいるの??」と感じます。また平日に休まなければ子どもは週6で保育園になります。しかも子どもは8時間以上保育園にいることが多い。つまり労働基準だって週40時間なのに子どもはそれ以上保育園で頑張っていることになる。子どもだって保育園では集団生活の中で自然と気を張ったり我慢をしている部分があるのですから、週6日も保育園にいたら疲れてしまいますし体調も崩してしまうから。

 

その為、土曜日保育や特別保育は安易に引き受けない保育園が多いのです。またそれでも「2」を理由にして預ける家庭が後を絶たない為、近年は「その日に保護者が働いていることを証明する就業証明の提出をその都度出すことを条件」にしている保育園が増えました。これは両親が健在の場合は父親の分も必要です。実は私もこれには賛成で、わざわざ会社に就業証明をお願いするのであれば、面倒なので家庭で見るor親族や知人にお願いするという家庭が意外と多いのです。

 

繰り返しますが、、、保育園は就業or疾病を理由に保育に欠ける子どもを預かる施設です。保育園を利用しなくても大丈夫であれば、保育園としても預かる必要はありません。

 

 

◆本当の保護者支援とは

 

土曜日保育の件を伝えると保育園側の印象が悪くなってしまう傾向があるのは私も理解しています。でも・・・上述で解説したように

 

1、子どもだって週6日保育園にいたら疲れてしまうし、体調を崩しやすくなる。

 

2、保育の基本は家庭保育にあり、子どもの一番好きなのは保育士ではなく保護者である。

 

3、子どもと一緒に過ごす時間を設けることで子育ての楽しさや充実感を感じることが出来る。そして子どもと一緒に過ごすことが保護者本来の在り方であることを理解して欲しい

 

 

この3点こそが、保育指針でも記載されている保育園ならびに保育士が大きな役割を担っている保護者支援であることをご理解ください。

 

今回は改訂された保育所保育指針に「明記された保護者支援」をもとに解説をしました。

 

上述のように、全てではありませんが、保護者の仕事が休みでも”平日ならば”お子さんを預かる保育園は増えています。だからこそ保育園と保護者がしっかり信頼関係を築いて子どもの成長を一緒に支えていけるよう、互いに歩み寄って保育が出来る環境をこれからも作っていきたいと心から願っております☆彡

 

 

 

  にほんブログ村 資格ブログ 保育士試験へ

 

◆お役に立てましたらクリックにご協力をお願いします★